【九州の名菜シリーズ】その2.皿うどん

何も捨てない、素材の持ち味を生かす精神そこにあり

黄色い麺はすでに蒸してある。それをまず両面焼く。
野菜、海鮮、肉。強火で炒めた具材に寸胴から熱いスープをそそぐ。
温度差によってスープに旨味が脱兎のごとく走り出てくる。それをつかまえる。具材をひきあげ、そのエキスが充満したスープに焼いた麺をもどす。
煮切るまで火を通す。一筆書きのように後戻りができない調理。
上に炒めなおした具材を乗せる。その複雑な甘みと熱を吸いきった麺はしあわせなエネルギーに満ちている。

【九州の名菜シリーズ】その1.焼きビーフン

ふうわりと軽い、米の粉のひなたのかほり、野菜の甘み。
寸分も変えようがない当たり前の調理方法。

焼きビーフンを食べると懐かしい人々の顔が浮かぶ。
脳裏にあるあせた肖像写真からその人があの人が、そっと話しかけてくるような。
控えめで温和な人たち。それは自分がどこからきたのかという問いに結びつく強いイメージだ。
そんな料理もある。

85年変わらぬ味。